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キョウエイマーチはメジロドーベルと凌ぎを削るライバルでした

桜花賞後はG1に届かないものの、2000年京都金杯を勝ちました
目次

キョウエイマーチの基本情報

馬名 キョウエイマーチ
生年月日 1994年4月19日~2007年5月9日
ダンシングブレーヴ
インターシャルマン
戦績 28戦8勝
主な勝ち鞍 ’97桜花賞(G1)
調教師 野村彰彦
騎手 松永幹夫
馬主 松岡留枝
生産者 インターナショナル牧場

 

20世紀の名馬の一頭に数えられるアメリカ生まれのダンシングブレーヴ。

 

その伝説の馬を父に持ち持ち前のスピードを武器に桜の女王にまで駆け上がったピンクが似合う牝馬。

 

それこそ…

 

『キョウエイマーチ』

 

だわ。

 

北海道の門別にあるインターナショナル牧場でインターシャルマンの2番目の子供として生まれたキョウエイマーチは、生まれながらにして脚元に不安を抱えていたわ。 

だけど、牧場スタッフの懸命な治療の結果なんとか競走馬としてデビュー出来るまでに回復したの。

 

栗東の野村彰彦厩舎に入厩したキョウエイマーチは、1996年11月の阪神ダート1200mでデビューを迎えたわ。 

鞍上には松永幹夫を擁したの。

 

1番人気に支持されたキョウエイマーチはスタート後一気にハナに立ち、直線では2着以下を1.7離して大差での勝利を収めたわ。

 

決してダートが得意な血統ではないけど、この時点では持っているスピードの絶対指数が違っていたのよ。

 

2戦目の芝の500万で3着になると、再びダートの自己条件戦に出走。 

ここも後続に1.6の大差での勝利。

 

これでオープン入りを果たしたキョウエイマーチはオープンのエルフィンステークスも勝利。

 

この勢いで桜花賞を目指すべくトライアルに進んだのね。

 

この頃関東にはメジロドーベルという父にメジロライアンを持つ3歳女王がいたわ。 

桜花賞の権利を取れれば本番で相見える相手だったわ。

 

ともあれ、無事にトライアルの4歳牝馬特別まで進んできたキョウエイマーチ。 

人気は1番。

 

スタートから終始2番手につけ、直線で先頭に躍り出るとそのまま後続に圧倒的な差を付けて勝利。

 

自信を持ってメジロドーベルに挑めることになったわ。

 

距離的にはキョウエイマーチに分があるのは間違いなかったの。

 

1997年4月6日第57回桜花賞。 

阪神競馬場の天候は雨、馬場状態は不良だったわ。

 

キョウエイマーチ、メジロドーベル共に8枠からの発走。

 

キョウエイマーチに至っては、絶対的に不利と言われている大外の18番枠からのスタートとなったわ。

 

スタート後、キョウエイマーチ鞍上の松永幹夫は馬を押して前に付けさせたの。

 

押っ付けた分だけ引っかかりながら進んでいるようにも見えたわ。

 

だけど、キョウエイマーチはしっかりと2番手からレースを進めていったわ。

 

ライバルのメジロドーベルは後方3番手あたりで構え、4コーナーでは5番手まで上がっていたのよ。

 

そして、直線を向きキョウエイマーチが逃げ込み態勢に入ったわ。 

それを馬場の外側からメジロドーベルが必死に追ったの。

 

だけど、なかなか差は詰まらない。

 

結果、キョウエイマーチがメジロドーベルの4馬身の差を付けて見事桜の女王に輝いたわ。

 

キョウエイマーチにとっては馬場が向いた形となったわね。

 

当然の如く次走はオークス。 

だけど、ここはやはり距離の壁になく形となったわ。

 

短距離志向の強いキョウエイマーチはここを11着と大敗。

 

勝ったのはメジロドーベル。

 

これで1勝1敗。

 

完全決着をつけるのは秋の秋華賞になったの。

 

キョウエイマーチは秋の初戦として秋華賞トライアルのローズステークスから始動。 

1番人気はNHKマイルカップを勝ったシーキングザパールに譲ったけれど、2番人気で迎えたわ。

 

持ち前のスピードを武器に、ここもスタートからハナに立ちそのまま押し切り勝ちを収めたの。

 

一方のメジロドーベルは、古馬との混合戦のオールカマーを勝って秋華賞に向かったわ。

 

これで完全決着の舞台は整ったわ。 

どちらが3歳女王に相応しいのか、それを決める為の秋華賞のスタートが切られたのよ。

 

1997年10月19日第2回秋華賞。 

春にタイトルを分け合った2頭によるレースであることは言うまでもなかったわ。

 

ローズステークスを勝ったとはいえ、この距離に絶対的な自信がキョウエイマーチにはある訳ではなかったの。

 

むしろ、メジロドーベルに距離の利はあったわ。

 

それは単勝オッズにも顕著に出ていたのよね。

 

1番人気:メジロドーベル(1.7倍) 

2番人気:キョウエイマーチ(3.9倍)

 

と、キョウエイマーチからすれば水をあけられた形となったわ。

 

17番枠からスタートしたキョウエイマーチだけど、このレースではハナにはいかなかったわ。 

行きたい馬を行かせてキョウエイマーチは2番手からレースを進めていったの。

 

4コーナーを抜群の手応えでキョウエイマーチは回ってきたわ。

 

メジロドーベルはキョウエイマーチを追うような形で上がってきたのよ。

 

残り50mまではキョウエイマーチが先頭だったけれど、最後はメジロドーベルの切れ味に屈し2着。

 

直接対決はメジロドーベルに軍配が上がったの。

 

ライバルとして凌ぎを削ってきた両馬だけど、これ以降戦うことはなかったわ。

 

距離をマイル路線に絞ったキョウエイマーチはマイルチャンピオンシップに参戦。 

ここでも持ち前のスピードを遺憾なく発揮し、タイキシャトルの2着とこのレベルでも通用するところを見せたわ。

 

距離を短くしスプリンターステークスに向かったけど、ここを11着としてこの年を終えたわ。

 

それ以降、勝てない日々が続いたの。 

1998年のマイルチャンピオンシップから鞍上を秋山真一郎に変えたわ。

 

それでも勝てない日々が続いたのよ。

 

1999年の阪急杯で勝利。

 

これが実に1年7ヶ月ぶりの勝利だったわ。

 

その後、再びG1制覇に届くことはなかったの。

 

キョウエイマーチの最後の勝利は2000年の京都金杯。 

牝馬ながら57キロを背負い勝利。

 

3歳から6歳まで己のスタイルを貫き通し走り抜けた桜の女王。 

ピンクのメンコと桜の木がこの馬には似合っていたわ。

 

桜花賞が一番似合うのはキョウエイマーチかもしれないわね。

 

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