マルゼンスキー

マルゼンスキー

まだ、外国産馬にクラシックの出走権がない時代にアメリカから持ち込まれた1頭の牡馬がレベルの違いを見せつけていた。

父はイギリスの三冠馬で世界の大種牡馬のノーザンダンサーの最高傑作と言われているニジンスキー。
母は競走馬として走る事は無かったが超が付くほどの良血馬のシル。
そんな世界が誇る血を持った馬が日本にやってきたのだ。
その尋常じゃない能力から“スーパーカー”と呼ばれていた

その馬の名は…

『マルゼンスキー』

マルゼンスキーが生涯で走った回数はわずか8レースしかない。
その8レースは全て勝利していた。
この8レースで2着馬に付けた合計の着差が61馬身なのだ。
マルゼンスキーはこの時代の競走馬よりもスピードがずば抜けて違っていた。

1976年10月の中山でデビューしたマルゼンスキーは、2着馬に大差をつけて勝利。
しかし、この頃のマルゼンスキーは足元に不安を抱えながら競馬を走っていた。
続く東京のいちょう特別でも2着に9馬身差をつけて圧勝。

そして、3戦目の府中3歳ステークスはマルゼンスキーが生涯で唯一苦戦を強いられたレースであった。

スタートからハナに立っていくマルゼンスキー。
そのマルゼンスキーをぴったりとヒシスピードがマークをしていた。
直線を向き逃げるマルゼンスキーは背後からの気配を感じていた。
しかし、追えども追えども前2戦で見せた走りが見られない。
気が付けば、ヒシスピードに前に出られる場面もあった。
ただ、最後は意地を見せ小差での勝利だった。
これは、先を見据えて控える競馬をしようとしたのが完全に裏目に出てしまったのだ。

次にマルゼンスキーが向かったのは3歳チャンピオンを決める朝日杯3歳ステークスだった。
6頭立ての少頭数となったこのレース、マルゼンスキーは1番人気で迎えた。
大外の6番枠から出たマルゼンスキーは、レベルの違うスピードでココでもハナに立ってレースを進めて行く。
その2番手には前走同様にヒシスピードがいた。
そのまま直線を向き、府中3歳ステークスでハナ差まで迫られた馬に鬱憤を晴らすような走りで大差でちぎったのだ。
勝ちタイムは1:34.4の当時のレコードでの勝利であった。

年が明けて4歳になったマルゼンスキーは1月のオープンでも2着に2馬身半を付けて勝利。
誰がどう見てもクラシックで勝ち負けできる、いや勝つことが出来るほどの能力を持った馬であった。
しかし、規制と言うのはマルゼンスキーを持っても変える事は出来なかった。

日本ダービーを前にマルゼンスキーの主戦を務めていた騎手中野渡清一はこう言った…

『枠なんて大外で構わない。賞金なんかいらない。他の馬の邪魔もしない。
ただ、マルゼンスキーの力を試したいから日本ダービーに出走させてくれ』と。
しかし、この願いも虚しく叶う事はなかった。

日本ダービーへの出走が叶わなかったマルゼンスキーが次に出走したレースは、中山で行われる日本短波賞であった。

スタートを切ってハナに立っていくマルゼンスキー。
もはやこのスタイルが変わる事は無かった。
道中で2番手に10馬身以上の差を付けて進んで行って、残り600mのハロン棒を過ぎたときにマルゼンスキーが止まりだしたのだ。
無敗馬が負けると見ている誰もが思った。

しかし、騎手が再び気合いを付けるとそこから7馬身ちぎって勝利。
2着は秋に菊花賞を勝つプレストウコウ。
その馬を楽々とちぎってしまうのだからまさに化け物だ。
ハロン棒をゴール板と勘違いしたと言われている。

ここまで来るとマルゼンスキーが走るレースには頭数が揃わなくなっていた。
生涯で1番多くて9頭。
後は5頭前後と、マルゼンスキーが走る時点で白旗を上げる陣営が多かったのだ。

夏を札幌で過ごしていたマルゼンスキーは、札幌のダートの短距離ステークスに出走した。
ここでもヒシスピードに10馬身差を付けて勝利。

秋は有馬記念を目標に調整を進められていたのだが、元々脚に抱えていた爆弾が遂に爆発した。
診断結果は屈腱炎。
ここで引退が決定した。

その類まれなスピードは、マルゼンスキーが亡くなって20年弱経った今でも語り継がれている。
1つ上にいた、トウショウボーイ、テンポイントとのレースは叶わないままターフを去る事になった。

外国産馬がクラシックを走れる時代に日本に来ていればこの馬の評価は変わっていただろう。

いや、もしかしたら走っていても変わらなかっただろう。

マルゼンスキー
生年月日:1974年5月19日-1997年8月21日
父:Nijinsky
母:シル
戦績:8戦8勝
主な勝ち鞍:'79朝日杯3歳ステークス
調教師:本郷重彦
騎手:中野渡清一
馬主:橋本善吉

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