オークス

第71回 優駿牝馬(オークス)

競馬において同着は存在するものである。
目で測れない差を精密機械を使って1cmまで測り白黒をつける。
レースの格が大きくなればなるほどそれは顕著になり、G1で同着など過去には存在しなかった。
いや、してはいけなかったのかもしれない。
白黒をはっきりつけどちらかがチャンピオンに相応しいかを決めるのがG1レースなのだから。

その長い歴史の中で数多の名勝負が繰り広げられたG1レースに於いて過去に1回だけ同着となったレースがある。

『2010年 第71回優駿牝馬(オークス)』

2010年5月23日 東京競馬場
天候は雨。馬場状態は稍重であった。
樫の女王の座を掛けて18頭の若き牝馬たちが集った。
1番人気は桜花賞を制したアパパネ。
しかし、血統面の距離不安説から桜花賞よりも支持は落ちていた。
2番人気はチューリップ賞でアパパネを下し、桜花賞で4着になったショウリュウムーン。
3番人気は、フラワーカップを制し桜花賞2着のオウケンサクラ。
と言う上位人気であった。
以下、アプリコットフィズ、サンテミリオンとここまでが単勝オッズ10を切る人気であった。

ゲートが開き、まずはニーマルオトメがハナを切って行く。
2番手にはアグネスワルツ。
ショウリュウムーンが3番手。
その外の8番手にサンテミリオン。
その後ろの中団やや後方にアパパネがいた。

向こう正面に入り、ニーマルオトメとアグネスワルツが後続に差を付けてペースを作っていく。
その2頭が作り出したペースは1000m通過が60.6。
雨が降り渋った馬場を考えれば幾分早いペースではったがそこから、一気にペースを落とし4ハロン連続で13秒台が刻まれていく。
そのペースにも特に惑わされることなくアパパネは折り合い その時を虎視眈々と狙っていた。
先頭が大欅を過ぎると後続の馬たちが一気に前に接近してきた。

この時点でほぼ全馬が未知の領域に差し掛かっていた。
それは、1番人気のアパパネも例外ではなかった。
ここから先は能力と底力が問われるのだ。

そして、逃げたニーマルオトメが直線に向くところで早くもアグネスワルツが先頭に躍り出た。
坂を上り残り200mの所で、外からサンテミリオンとアパパネがアグネスワルツに迫りあっという間に抜き去った。

そして、そこからは抜けた2頭によるデッドヒート。
お互い譲ることなく叩き合いが始まった。

人馬共々の意地のぶつかり合いだった。
ゴールまでの数百メートルの叩き合いの末、両馬が鼻面を並べでゴール板を駆け抜けた。
その差はもはや人の目ではどちらが優勢か判断を付けるのは困難であった。

電光掲示板には写真判定文字。
数分では結果が出なかった…。

「どっちが勝ったんだ…」

写真判定が始まってから12分後
固唾を飲んで待つファンの目に結果が告げられた。

“1着同着”

勝利の女神は2頭に微笑んだ。
JRA史上初のG1の1着同着。
この瞬間、『2頭のオークス馬が誕生した』

アパパネ鞍上の蛯名正義、サンテミリオン鞍上の横山典弘は共に称えあい喜びを分かち合った。

わずか、2分半足らずの出来事だが、この2分半の出来事は日本競馬史に燦然と輝くこととなる。

第71回オークス
1着:アパパネ(蛯名正義)
1着:サンテミリオン(横山典弘)
3着:アグネスワルツ(柴田善臣)

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